マンションにおける漏水事故の実態 。最も多い原因は<給湯管不具合>

マンションの居住者や管理組合にとって、漏水事故は最も頭を悩ませるトラブルの一つです。
特に高層マンションでは、漏水が発生すると下の階にまで影響を及ぼし、多くの住民に被害が広がる可能性があります。
こうした事故は、住宅設備の経年劣化やメンテナンス不足が原因であることが多く、事前の対策が極めて重要です。
本コラムでは、マンションにおける漏水事故の実態について詳しく解説し、最も発生頻度の高い「給湯管の不具合」が原因となるケースを中心に、具体的な対策や予防策を考えていきます。
目次
マンションにおける漏水事故の実態
漏水事故の発生状況
マンションにおける漏水事故は年間を通して頻繁に発生しており、特に築年数が経過した建物では発生率が高まる傾向にあります。
給水管や給湯管、排水管の老朽化に加え、設備機器の劣化も影響を及ぼすことが多いです。
国土交通省のデータや建物診断を行う専門機関の報告によると、マンションの漏水事故の多くが「配管設備の不具合」に起因しています。
なかでも給湯管のトラブルは特に多く、建物の築年数が20年を超えると発生リスクが急激に高まると言われています。
漏水事故がもたらす被害
漏水事故が発生すると、以下のような被害が発生する可能性があります。
床や天井が損傷し、壁紙や家具がダメージを受ける
湿気がこもりやすく、カビや異臭の原因となる
漏水が電気系統に影響を及ぼし、火災のリスクも
被害が広範囲に及ぶと、数百万円単位の修繕費がかかることも
このようなリスクを考えると、漏水事故は単なる一時的なトラブルではなく、長期的な影響を及ぼす重大な問題であることが分かります。
漏水事故の主な原因と「給湯管の不具合」の影響
漏水事故の主な原因
マンションの漏水事故は、主に以下のような原因によって引き起こされます。
2. 給水管の老朽化
3. 排水管の詰まりや破損
4. シーリング材(コーキング)の劣化
5. バルコニーや屋上の防水層の劣化
6. エアコンや洗濯機のホース破損
この中でも、「給湯管の不具合」は最も多くの漏水事故を引き起こしており、その影響は甚大です。
給湯管の不具合による漏水事故の特徴
高温・高圧の影響を受けやすい
給湯管は、給水管とは異なり高温のお湯が流れるため、配管にかかる負担が大きくなります。
これにより、金属製の管であっても内部が腐食しやすくなり、長年使用すると穴が開いたり、亀裂が生じたりすることがあります。
築年数が経過するとリスクが急増
築20年以上のマンションでは、配管の材質によっては給湯管の寿命が近づくことが多く、漏水事故のリスクが高まります。特に、鉄製の給湯管(亜鉛メッキ鋼管など)は、内部が錆びやすく、腐食が進行しやすいため、早めの点検と交換が必要です。
床下や壁内での漏水が発見されにくい
給湯管は、多くの場合壁や床の内部に埋設されているため、外から異常が見えにくいのが特徴です。そのため、漏水が進行していても気づかず、被害が拡大するケースが多いのです。
特に、天井や壁に水染みが出てきた場合は、すでに内部でかなりの漏水が発生している可能性があります。
マンションの漏水事故を防ぐための対策
定期的な配管点検
マンションの管理組合は、定期的な配管点検を実施することが重要です。
特に給湯管の点検は、築10~15年目を過ぎた段階でプロの業者に依頼し、劣化の兆候がないかチェックすることを推奨します。
給湯管の交換
築20年以上のマンションでは、古い配管を新しいものに交換する計画を立てることが望ましいです。
特に、以下の材質の配管は早めの交換を検討すべきです。
現在では、樹脂製の耐熱配管(ポリブテン管や架橋ポリエチレン管)が主流となっており、耐久性が高く錆びる心配がないため、交換する際はこうした新しい素材を選ぶと安心です。
住民への意識向上
管理組合は、定期的に住民向けの注意喚起を行い、給湯管のトラブルのサインを共有することが大切です。
たとえば、以下のような兆候が見られた場合は、すぐに専門業者へ相談することを促すべきです。
まとめ
マンションにおける漏水事故は、住民に多大な影響を与える重大な問題です。
特に「給湯管の不具合」は最も多い原因であり、築年数の経過とともにリスクが高まります。
定期的な点検、早めの配管交換、住民の意識向上といった対策を講じることで、漏水事故のリスクを最小限に抑えることができます。
快適で安心できるマンション生活を維持するためにも、早めの対応が求められます。
「あなたのマンションは大丈夫ですか?」
ぜひ、今すぐ管理組合と相談し、適切な対策を検討しましょう。
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